公的な証明

手彫りは、最初から最後まで手で仕上げる印鑑のことです。手彫り仕上げは、仕上げを手で行う印鑑のことで、途中までは機械で行います。手彫り仕上げは荒削りまでを機械で行い、最後の仕上げを人の手によって行っているのですが、価格に差があることがあります。○○風という言葉が世間に出回っていますが、○○風とはあくまで雰囲気であり、○○そのものではありません。手彫り仕上げの印鑑も手彫り仕上げと手彫り風印鑑に分かれることがあります。荒削りと一言でいいますが、どこまでを荒削りかは業者によって違います。その結果、ほとんど機械で削って少しだけ手をいれ手彫り風と、時間がかかる工程を機械にさせ、仕上げを人の手で行う手彫り仕上げでは手間が違い、その結果価格に差がでるのです。それを判断するのは、自分の目しかありません。これは非常に難しい判断になるのです。

その点手彫りは、最初から最後まで人の手によるもので、同じものはありません。手彫りの良さというのは、人の手による文字の風合いだけでなく、“同じものが無い”という書類社会においての実用性なのです。大人(成人)すると、実印を使う機会が必ずでてきます。格好をつけるという意味ではなく、手彫りの印鑑での実印登録は、自分を公的に登録すると同義なのです。

印鑑の種類

印鑑をあまり使わなくなったといわれる現代においても、印鑑はかなりの種類が販売されています。朱肉を使わないスタンプ式。書店や文具屋、100円ショップなどで販売されている三文判。機械彫り。手彫り仕上げ。手彫りです。

スタンプ式はわざわざ朱肉を使う必要がなく、大変便利なものです。ですが正式には印鑑と認められておらず、あくまでスタンプだというニュアンスになっています。そのため自社内ならともかく、役所に提出する書類などには使用することはできません。三文判は安価で手に入れることができ、印鑑登録も可能となっています。ですが次の機械彫りと同様に、機械ですべての工程を行いますので、文字のフォントが似通うことがあります。印鑑は同じ文字が彫ってあっても、一つ一つが違う作りになっており、それが個人を証明できるというものですが、すべての工程を機械で大量に行うとチェックの甘さもあり、どうしても類似や同じものがでてしまうことがあるのです。スタンプ式と同様な使い方をする三文判ならともかく、銀行印や実印には向かないといわれているのはこのためなのです。手彫り仕上げと手彫りは似たようなイメージを持たれるかたが多いと思いますが、次の項ではその違いを解説しましょう。

印鑑社会の歴史

インターネットやスマホの普及に伴い、印刷の書類や伝票などはあまり必要がなくなってきているようにいわれています。では書類はこのまま無くなってしまうのかというと、世界的にみてもそうはならないでしょうし、日本は特に無くならないでしょう。ニュースなどで重要な条約などを交わすさいは、調印者(その条約の責任者)がお互いに直筆でサインをしています。世界的には重要な書類には直筆でサインを行います。サインは同じ名前であっても、個人により違いがあります。クセが出やすく、科学的筆跡鑑定がない時代であってもその人だと、判断がつきやすかったのです。

日本最古の印鑑は「漢委奴国王」の金印ですが、その当時は文字が普及していませんでしたので、実際に使われていたかどうかは懐疑的だという意見もあります。本格的に使われるようになったのは、701年の大宝律令の制定で官印が導入されてからと言われており、一時花印にとってかわられますが、僧侶たちの書画に使われるようになり再び普及していき、武家社会では文書の署名の簡素化という意味で使われるようになります。江戸時代になると公文書だけでなく私文書にも印を押す風習が広がり、この当時印鑑登録の元祖といえる印鑑帳が作られました。この時代印鑑は命の次に大切なものと扱われ、財産を保証するものとされていました。サインではなく印鑑を大切にする文化は、この時代に確立されたのです。ではなぜ手彫り印鑑が必要なのか?次の項は他の印鑑との違いについて記していきましょう。